ホーム事業内容広域的ごみ処理ちくま環境エネルギーセンター「千曲市・長野広域連合ごみシンポジウム」を開催しました

「千曲市・長野広域連合ごみシンポジウム」を開催しました

本連合は去る10月3日に千曲市と共催で、千曲市更埴文化会館(あんずホール)において、「安心・安全なごみ処理とリサイクルをめざして」と題したごみシンポジウムを開催しました。今回は、本連合が千曲市に建設を予定している焼却施設及び千曲市が建設を計画している生ごみ堆肥化施設について、広く関係住民のみなさんに正しくご理解いただくことを目的としたものです。

当日は「廃棄物処理技術の動向」と題し、社団法人全国都市清掃会議技術部担当部長の寺嶋均さんに講演をしていただきました。

シンポジウムの後半では、「安心・安全なごみ処理とリサイクルをめざして」をテーマに、コーディネーターに武田徹さん、アドバイザーに寺嶋均さんを迎え、5名のパネラーとディスカッションを行いました。

約720名のみなさんにご来場いただき、熱心にご傾聴いただきました。

当日は、大勢のみなさんにご来場いただき誠にありがとうございました。

また、会場ではたくさんのご質問やご意見をいただきましたことに対し、厚くご礼を申し上げます。

今回みなさんからいただいた貴重なご意見等は、今後の施設建設に十分生かしてまいりたいと考えております。

基調講演の要旨(寺嶋均氏)

  • 限りある資源を有効に活用し、循環させ、資源を節約し、できるだけごみがでないような取り組みを現在行っている。しかし、リサイクルは永久にできるわけではなく排出されたごみを適正に処理し、そのエネルギーを回収しごみを無害化・安定化したうえで埋立て処分していく必要がある。
     
  • 焼却方式にはさまざまな分類のものがあるが、排ガス処理やダイオキシンの排出については、厳しい基準と管理のもと、適切に処理されている。
     
  • ヨーロッパの最近の動向は、従来の埋立て処分では埋立てしたごみからメタンガス等の有機物が発生し、地球温暖化や水質汚濁に影響を与えていると考えられることから、焼却して適正に処理し無機物にしたうえで、埋立てをする方針に変わってきており、焼却施設を建設していこうという動きになってきている。
     
  • ごみを焼却して無害化・安定化・減量化しても、焼却灰の埋立空間は必要であり、焼却灰を溶融することでさらに減容化ができる。
     
  • 焼却施設は、さまざまな安全対策をとっている。
     
  • 過去には爆発事故や火災事故があったが、周辺に影響を及ぼすような事例は起きていない。
     
  • パネルディスカッションの要旨

宮坂博敏千曲市長

  • 千曲市では生ごみ堆肥化施設の建設を計画している。利点としては、資源として利用できるものを活用することにより、循環型社会の構築に貢献できることや、可燃ごみの減量により、焼却施設の規模を小さくすることができる。
     
  • 生ごみ堆肥化施設については、施設の臭気対策や適正な運転管理を行うなど、周辺環境に配慮したものとしたい。
     
  • 長野広域連合の焼却施設は、灰溶融機能を備えることとしている。焼却灰を溶融することにより、ダイオキシン類がほぼ完全に分解されるとともに、微量の重金属を溶融スラグの中に封じ込めることができる。
     
  • 溶融スラグは路盤材等として有効利用する計画である。
     
  • 焼却施設建設の際には、施設周辺の緑化に配慮し、周辺環境と調和するよう整備したいと考えている。
     
  • 安心・安全なごみ処理とリサイクルを目指すため、地元のみなさんと話合いをしたうえで、これらの施設建設に取り組んでいきたい。

山岸和枝さん(千曲市生活をみなおす会)

  • 「減らそうごみ」、「見直そう使い捨ての暮らし」をキャッチフレーズに、自分たちのできることからはじめようということで、ごみの減量の取り組みをしている。
     
  • ごみの減量の取り組みとして、小中学校の牛乳パックを牛乳ビンへ切り替える運動をしてきた。また、生ごみ堆肥化を推進するためEM菌による堆肥作りなどもしている。

千野里いさん(坂城町消費者の会)

  • 廃油を使った石鹸づくりや、余った布から別の衣類を作成するなどの活動をしている。また、「マイバック運動」などにも取り組んでいる。
     
  • 自分たち一人ひとりがごみ問題に関心を持ち、今日から3R作戦を実践していきたい。この環境を次世代の人たちに残せるよう、できることから取り組んでいきたい。

井狩専二郎さん(株式会社水口テクノス事業統括部長)

  • 滋賀県甲賀市では、家庭から出る生ごみを堆肥化して活用する循環システムに取り組んでいる。
     
  • 私たちの会社は、甲賀市が収集した生ごみを堆肥化しており、5700を超える世帯が参加している。
     
  • 堆肥化する際には臭いの問題があるが、モデル事業の参加世帯にアンケート調査を実施したところ全体の97%の方から『臭わない』、『臭うが我慢できる』との回答を得た。
     
  • 製品の堆肥は、生ごみにふりかけて脱臭等するための種堆肥として活用するほか、家庭菜園やプランターなどで使われている。

荒井喜久雄さん(東京二十三区清掃一部事務組合葛飾清掃工場長)

  • 東京二十三区内のごみ焼却施設のうち、7施設で溶融炉を設置しているが、ダイオキシン類を分解し、かつ埋立処分量を削減することが目的である。
     
  • ダイオキシンのほかに未知の物質がでるのではないかとの指摘があるが、完全燃焼をさせれば安全であると考えている。
     
  • 東京二十三区内にある清掃工場はさまざまな場所にあるが、渋谷工場のように街中や住宅地に隣接したものもある。