次期一般廃棄物最終処分場(以下「次期処分場」という。)建設候補地の選定については、平成27年度から検討を開始し、令和8年2月3日開催の長野広域連合理事会において最終候補地を決定することを目指して進めてきました。検討に当たり、関係する各市町村及び住民の皆様にはお忙しい中でご協力をいただき、お礼申し上げます。
次期処分場建設候補地の検討を開始して約10年が経過する中で、当初の計画と比べて、ごみ処理に関する状況が大きく変化してきています。
ついては、前提条件等を含めて再検討が必要と考えられることから、次期処分場建設候補地の決定を延期することとなりましたのでお知らせします。
今後は1年間を目途に次期処分場を建設するかを含めて検討を行い、令和9年2月の理事会までに方向性を決定する予定です。
当初の計画からの状況の変化
当初の計画と比べて、状況が変化した事象は以下のとおりです。
【変化1】可燃ごみの焼却量の減少による埋立量の減少
- 各市町村におけるごみ分別の推進、住民リサイクル意識の向上、経済活動の停滞等により、可燃ごみの焼却量が想定よりも減少したことに伴い、埋立量も減少しています。
【変化2】溶融スラグの再利用量の増加による埋立量の減少
- 溶融スラグの需要が不透明であったため、当初は発生量に対して約50パーセントを埋め立てる計画としていました。現在のところ、溶融スラグの需要が高い状況が続いており、エコパーク須坂への埋立量が大幅に減少しています。(表1参照)
- 溶融スラグはエコパーク須坂の法面への埋立てに利用する計画であるため一定量を埋め立てていますが、ながの環境エネルギーセンターではJIS認証を取得していることから需要が高く、全量を再利用することも見込まれています。
- ながの環境エネルギーセンターで生成された全量を再利用した場合、ちくま環境エネルギーセンターで生成されて再利用できなかった分(令和6年度発生量:63.4トン)のみとなります。
【表1】令和6年度の計画と実績(溶融スラグ発生量及び埋立量)
| 発生量 | 埋立量(割合) | |
|---|---|---|
| 計画 | 5,424.00トン | 2,786.00トン(約50パーセント) |
| 実績 | 3,965.82トン | 343.68トン(約9パーセント) |
【変化3】ばいじん(反応飛灰処理物)の埋立て中止
- ばいじん(反応飛灰処理物)は、焼却炉の排ガスに含まれる有害物質を取り除く二段階目のフィルターで捕捉される物質で、塩化カルシウム、硫酸カルシウムが主な成分です。
- エコパーク須坂では浸出水を安全に処理してから下水道に放流していますが、浸出水のカルシウムイオン濃度が想定より高い値で推移しており、さらに高濃度となった場合は水処理施設に大きな負担がかかるおそれがあります。
- 埋立てを継続した場合、施設の廃止(水処理が不要な状態になる)までの期間が想定よりも長くなる懸念があるため、令和8年度からは新たな埋立ては行わず、外部搬出(民間の処分場に処理を委託)することとしました。
【変化4】溶融不適物の資源化の可能性
- 溶融不適物にはある程度の量の金属が含まれていますが、これまでは採算面で資源化が難しかったため、埋立処分としていました。
- 溶融不適物の資源化を検討している事業者から申し出があり、サンプルを提供して可能性を探っています。資源化が可能となれば、埋立処分は不要となります。
【参考:令和6年度発生量】ながの環境エネルギーセンター:423.80トン、ちくま環境エネルギーセンター:162.62トン
【変化5】資源循環(資源化)の維持・促進
- 次期処分場の埋立対象品目のうち、現在は民間事業者に資源化処理を委託している焼却灰等について、現契約が満了後も資源化処理を継続できるか不透明であることから、次期処分場に埋め立てることを考慮した計画としてきました。
- 資源化処理は民間事業者に委託しており、その処理工程や副生成物を原料の一部とした製品の安全性について問題はなく、資源化は今後も推進されるものであると考えています。
- 資源循環を促進するため、焼却処理後に発生する副生成物は可能な限り資源化することを基本想定とし、次期処分場には資源化できないものを埋め立てる計画(規模)に見直します。
【図1】エコパーク須坂への埋立量の推移(変化1~変化2関係)
注1)計画値は、最終処分場施設整備計画(平成29年1月)算定データから各施設の稼働開始時期を考慮して算定しています。
(1)ながの環境エネルギーセンター:平成31年3月稼働開始
(2)ちくま環境エネルギーセンター:令和4年6月稼働開始
(3)エコパーク須坂:令和3年2月埋立て開始
注2)埋立量(計画値及び実績値)に覆土は含みません。
【表2】焼却施設から発生する副生成物の最終処分方法と今後の可能性(変化2~変化5関係)
| 発生する副生成物 | 最終処分方法 | 今後の可能性 | |
|---|---|---|---|
| 焼却灰 | 資源化 | 資源化を継続 | |
| ばいじん | (除じん飛灰) | 資源化 | 資源化を継続 |
| (反応飛灰処理物) | 埋立て | 埋立て(外部委託) | |
| 溶融飛灰 | 資源化 | 資源化を継続 | |
| 溶融スラグ | 資源化・一部埋立て | 全量を資源化 | |
| 溶融不適物 | 埋立て | 資源化 | |
| 磁選物(鉄など) | 売却 | 売却 | |
| 溶融メタル | 売却 | 売却 | |
次期処分場建設の再検討
変化1から5のとおり、計画当初から状況が大きく変化しているため、次期処分場の建設に関して、以下の事項を改めて検討していきます。
【検討事項1】次期処分場の規模の見直し
副生成物は可能な限り資源化することを前提に、埋立処理する品目及び想定される発生量について精査し、次期処分場の規模を再検討します。
- 仮に溶融スラグと溶融不適物を埋め立てる場合、想定される埋立量は以下のとおりです。
溶融スラグと溶融不適物を15年間埋め立てた場合の想定埋め立て量の表 年間埋立量(覆土を含む)
約1,906トン
(直近3年の実績平均)× 埋立期間
(15年間)= 合計埋立量
約28,590トン
(体積換算:約19,784立方メートル) - 体積に換算すると約19,784立方メートルとなり、現在の計画である159,400立方メートルから大きく減少します。また、エコパーク須坂(約85,000立方メートル)と比較しても小規模となります。
- 年間埋立量が少量であったとしても、埋立期間を長く(15年以上)することが可能であれば、ある程度の規模の処分場を建設することも考えられます。
【検討事項2】経費及びリスクの分析
次期処分場の設置又は外部への処理委託における概算経費の算定及びリスクを洗い出し、比較・検討を行います。
